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18禁BLゲーム「鬼畜眼鏡」に溺れる管理人の萌えやSSで構成されたブログです。  ※18歳未満(高校生含む)はお引き取りください。  リンクフリーです。(詳しくは「はじめに」をご覧下さい。)

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みどかつパラレルSS「蝶と蜘蛛・弐」

前回の続きです。


※御堂さんが高校生三年生で克哉は25歳で教師です。
御堂さん以外の原作キャラは皆原作の設定どおりの年齢です。
つまり御堂さんだけが若返りしています。 ←


※※今回はキクチ学園の理事長として御堂さん父が登場しています。
そういうの苦手な方は回避してください。
浪漫シリーズの御堂父とは性格が違います。こっちはもっと御堂さんに近い)

今回も御堂父が出張っています。

息子孝典は後半に出てきます。


※高校生で一人称が「私」は違和感あったので御堂さんは「俺」と言っています。


では、続きからどうぞ。

御堂理事長は4時間目の授業を見学した。

同じ内容を2時間目に別のクラスでやっているので、克哉はスムーズに授業を進めることが出来た。
時折冗談を交えながら丁寧に板書して教える克哉の姿は、誰の眼にも中々に有能な教師として映ったことだろう。
御堂理事長は終始笑顔を崩すことが無かった。

克哉はそんな理事長の態度にほっとする。
誰もが憧れるような人物が真剣な眼差しで見ている中では、いつもより気合が入る。そして彼が微笑みを絶やさないでいたことは、克哉にとって確かな手ごたえとなった。

「――今日はここまで。宿題は無いけど、予習しておいて下さいね」

チャイムが鳴ったので克哉は定型文句を言って授業を打ち切る。
生徒たちは早速食堂に走ったり弁当を出したりと、昼食の時間になる。

「佐伯先生。いい授業でしたよ」

教室の後ろに立っていた理事長の許へ克哉が歩いていくと、そう褒められた。
一気に克哉の頬が赤くなる。

「えっ。あ、ありがとうございます…っ」
「本当に良かった。どうですか? 一緒に昼食でも」
「へ?」
「理事長特権で、食堂の食事を理事長室で食べさせてもらいましょう?」

原則的に食堂の食事は食堂から持ち出してはいけないことになっている。食べ零しや食器の未返却を懸念しての決まりだ。
けれど教員たちの中には職員室などに定食を持っていく者も居るし、生徒であっても最上級生ともなれば平気で行行なっている。

理事長はそれを承知か否か、茶目っ気ある笑いで克哉を誘った。

「あ、えと、他にはどなたが…」
「二人だけですよ」
「えっ」

克哉の心拍数が跳ね上がる。
理事長に二人きりで理事長室で話したいと言われれば、これは何かあるなと思って間違いではないだろう。
先程は褒めてくれたが、実は克哉に問題を見出し、それを説教するつもりなのかもしれない。
克哉は身構えるが、緊張の理由はそれだけではないことにうすうす気付いていた。

まるで異性に誘われているかのように胸が高鳴ってしまっているのだ。

「大丈夫ですよ。恐い話なんてしません。さあ」

悪戯気な、まるで少年のような瞳のひとが、克哉に手を差し出した。



***



「私の不肖の息子のことなんですけれどね」
「…孝典くんですよね。不肖だなんて…。とってもいい生徒じゃないですか」

克哉の言葉に理事長はにこりと笑った。

10分程前に、克哉はオムレツがメインの定食を、理事長はサンドイッチセットを食堂で購入して、理事長室に入り向き合って食事を始めた。
それから世間話をした後で理事長が「本題があるのですが」と切り出した。

「どうも。…あいつがですね、よく貴方の話をするんですよ」
「え…?」
「そういうことは今まで無かったから、佐伯先生ってどんな方なのかと興味が沸きましてね。それで今日来たんですよ」
「はぁ…」

克哉は曖昧な返事しか出来なかった。
それも仕方ないだろう。

優等生の御堂孝典と平凡教師な克哉は、大して接点が無い。
確かに彼のクラスの家庭科担当は克哉だが、週に2~3時間の授業の中でしか会話は無いし、それも克哉の問題に彼が答える程度のものだ。
授業時間以外で質問をされたことも、ましてや個人的な相談を受けた覚えも無い。

「オ、私の話って、例えばどのような…」
「それは秘密ですよ。…まあ貴方を怖がらせないために少し言うと、『佐伯先生が今日はこんな内容を話していた』だとか、『こんな服装だった』だとか、です」

想像しにくい。
女性教師についてならまだわかる話題だが…。

克哉のそんな困惑が顔に出ていたのだろう。彼を息子に持つ父親はすみません、と謝った。

「別に深い意味はありませんから。そんなにお気になさらなくてよろしいですよ」

だったらわざわざ会いに来て言うなよ、とは言わないでおいた。

その後また雑談をして時を過ごし、共に食器を食堂に返却して廊下で別れた。
克哉は何とも言えない疑問を持つ羽目になったが、それでも尊敬する相手と時間を共有できたことは貴重だ。
克哉は素直に嬉しいこととしてこの件を胸にしまった。



***



御堂理事長が放課後に部活見学をして回っている間。
克哉は園芸部の活動を監督すべく中庭に居た。
理事長は数十分前にここを視察した後だ。

「佐伯先生」

呼ばれて、克哉は土いじりしていた手を止めて仰ぎ見るように振り返った。
そこにはここ最近よく話題に上っていた、御堂孝典少年が居た。

「あ、御堂くん」
「今日は父と仲良くしてくださったそうで。ありがとうございます」

高校生の息子が理事長である父親について使う言い方ではないだろうが、何故か彼が言うと違和感が薄れる気がする。
克哉は曖昧に返事をして立ち上がった。

そうすると御堂の顔は180センチ以上ある克哉の背より、10センチ程低い位置になった。

基本的に克哉は多数の生徒に対して語りかけるときは敬語を使うが、一人相手ならタメ口になる。例え相手が理事長の息子であろうと、生徒会長であろうと、それは変わらない。

「オレの方がお世話になったんだと思うけどね…」
「まあ、そうでしょうね」

かちんと来る克哉だったが、ここは堪える。
いちいち生意気な少年なのだ。この御堂孝典という彼は。

「ところで、父は何を言ってましたか?」
「え、うーん…。普通に世間話をして、あと少し御堂くんのこと話しただけだよ」
「俺の? どんなこと」

父親によく似た鋭利な瞳で問い詰められて、克哉は昼間の会話を教えてやった。ついでに御堂が家で克哉についてどんなことを話していたのかを聞き返してみる。

「それは秘密です。そんなことより、貴方は俺と初めて話したときのことを覚えていないんですか?」
「ん? 初めて…?」

さらりと質問を流されたが、克哉は素直に記憶の糸を手繰った。だが昼間に考えたように、授業中の受け答えくらいしか出てこない。

「…わかりませんか?」
「うん…。ごめん、すぐには思い出せないや。授業での会話じゃないのかな?」
「違う。授業のあとに俺が質問に行ったことがあっただろう」

眉を顰める上に丁寧語がタメ語どころか命令口調に近くなっている。克哉は御堂のその変化に戸惑ってしまう。
何故彼は怒っているのだろう? と。

「ううーん。御堂くんに授業でわからないことなんてないだろ?」
「当然だ。そういう質問をしたのではない。授業方針について、だ」
「あ、」

授業方針という言葉で思い出した。
いつだったか御堂が、克哉の授業方針について問い質してきたことがあったのだ。

(そうか、あれが始めての会話だったのか。
…もしかして根に持っていたのかな? 随分悪印象だったみたいだな…)

克哉は眼光鋭い少年を前に、彼と初めて話した日のことを思い出していった…―。




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