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18禁BLゲーム「鬼畜眼鏡」に溺れる管理人の萌えやSSで構成されたブログです。  ※18歳未満(高校生含む)はお引き取りください。  リンクフリーです。(詳しくは「はじめに」をご覧下さい。)

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みどかつパラレルSS「蝶と蜘蛛・参」

の続きです。


※御堂さんが高校生三年生で克哉は25歳で教師です。
御堂さん以外の原作キャラは皆原作の設定どおりの年齢です。
つまり御堂さんだけが若返りしています。 ←


では、続きからどうぞ。

「佐伯先生」

授業を終えて教室から家庭科準備室へと足を向けていた克哉に、声を掛けるものがあった。
振り返った先には先程まで克哉の授業を受けていた生徒の一人、御堂孝典がいた。

「ん? どうかした?」
「佐伯先生は授業の中で雑談が多すぎると思うのですが。それに、教科書に載っていないことは教える必要が無いでしょう」

はっきりとした口調で御堂に糾弾されて、克哉はきょとんとしてしまう。

確かに克哉は生徒たちと少しでも友好的な雰囲気を作りたいと考えて、意識的に雑談を取り入れている。高校生たちが興味を持ちやすいような話題を仕入れてそれをきっかけに話を盛り上げ、教えたいことに繋げるのだ。
これは有効な手法であろう。
しかし未熟な克哉は雑談の収拾がつかなくなったり、生徒の一部のみが盛り上がりすぎたり、中々理想どおりにいっていなかった。これは御堂の指摘どおりだろう。

もうひとつ、教科書云々の話にも、思い当たることがあった。家庭科教員同士で話し合い、教科書に載っていないこと、教科書改訂により削除されたこと、教科書が時代に追いついていないこと、それらの中でも教えるべきと判断されたことは教えることにしていたのだ。
この日は時代と共に移り変わる「家族」の概念について、教科書より掘り下げたところまで話した。同性同士や、ペットを「家族」と捉える人が居る、などだ。

「うん、雑談が多いのはごめんな。努力するよ。
でも、教科書に載ってなくても知っていた方が良いこととかもあるし、教科書に載っていることだけが総てじゃないからね」

必要ならば授業で話していくつもりだ、と告げる克哉に御堂はカッと怒りの表情を作った。侮辱されたと思ったのかもしれない。
だが彼はそうですか、とだけ答えて時間を取らせたことを詫びその場を辞した。

克哉は何となく罪悪感に似た憂鬱さを感じて、彼の後姿を見送った。



***



これが克哉と御堂の最初の会話だった。つい一ヶ月ほど前のことである。
第一印象は最悪だろうと思う。

「あー……。思い出したよ。うん。授業の後に少し会話したのが最初だ…。でも、それがどうしたの?」

まだあの事が気に入らなくて怒っているのだろうなと思いつつ、本人に聞いてみた。すると御堂はますます眉間の皺を深めて答えた。

「あの事にまだ腹が立つ。俺は貴方が気に食わない」
「えっ…?」
「この屈辱は必ず晴らす。…失礼しました」

踵を返して去っていく御堂を克哉はぽかんとした顔で見つめていた。
礼儀正しいのか否かよくわからない少年だ。いや、絶対無礼だろう。

克哉先生、と呼ばれて慌てて園芸部の活動に戻る克哉だが、その胸中には何となく不安が拡がっていった。
まるで何か途方もない大きな罠が待ち受けている道を歩んでいるような、そんな予感があった…―。

その予感はまもなく的中した。
翌日の職員会議で、次の期末テストで赤点を出させず、かつ全教科十点以上平均点を上げるようにとの通達があったのだ。
勿論テスト内容を簡単にすることは出来ないし、一応それを防ぐ為の対策として外部のテストを用いることとなった。テスト用紙を配るまで開封できない決まりを設けられたので、教員側が事前の授業中にどんな問題が出題されるかをそれとなく知らせることも不可能である。

これはかなりの難題である。生徒に無理をさせなければならなくなるし、教員の負担も大きい。
だがこのノルマを達成できなければ来年はこの学園に居られない可能性もある、と暗に大隈校長に言われては何とかせざるをえないだろう。
克哉は悲壮な顔をする他教師同様、暗澹たる思いだった。

「では、生徒たちの学力をより向上させたいという理事長の意向を実現するため、本日も頑張りましょう」

言うだけなら誰でもできることを校長は話して、職員会議は終了した。



***



「失礼します。佐伯先生にお話があって参りました」

朝告げられたノルマを何とかクリアすべく家庭科教員同士で話し合っていた昼休み。御堂は克哉を訪ねて家庭科準備室の前に立った。

「あ、うん。ここでいい?」
「相談事なので、二人でお話したいのですが」
「じゃあ隣の第二家庭科室行こっか」

第二家庭科室は普通の教室と同様の造りである。黒板や机、椅子も教室と変わらない。ただ、どの教室にも備わっているテレビ以外にスクリーンが用意されていて、これにビデオの映像やパワーポインタなどで作った自前の教材を映すことがあった。

克哉が先に立って教室の鍵を開け、後ろに御堂が続いた。二人とも教室の中に入ると、御堂は途端に優等生の顔から傲慢な王のそれにかわる。

「どうですか? 俺の考えた新しい取り組みは」
「…御堂くんが考えたの?」
「父と話し合いましてね。生徒にも教師にも緊張感を持ってもらうためにはと考えたんです」
「あんなの無理だよ。赤点を出しちゃ駄目、しかも平均点十点あげるなんて外部のテストを使用するなら出来ない」

ふん、と御堂は鼻を鳴らして侮蔑の表情を浮かべる。
口調も生徒のそれから彼の素に変えた。

「出来ないと最初から決め付けるのはどうかと思うがな。教科書どおりに授業を進めていれば、それくらい簡単だ」
「そんなことないよ、せめて五点とかに下げてもらえないかな」
「駄目だ」

にやにやと笑う御堂に、克哉は絶望的な気持ちになる。
彼は自分のことが気に入らないから、克哉を追い払う為にこんなことを考えたのだろう。だがこんな方法では他の教員だって巻き込むし、何より生徒が可哀相である。
克哉は何とかこの目の前の傲慢な少年王を説得しなければならなかった。

「ねえ、御堂くん。君はオレのことが気に入らないんだろ? だったらこんな、みんなが迷惑する方法じゃなくてさ、オレと正々堂々やりあう方法のほうが…」
「またそんな綺麗事か」

心底うんざりした風に御堂が吐き捨てた。眼力が増したようだ。強い怒りの眼差しが克哉を貫く。
克哉は怯んだ。

「そ…そんな。ごめ、オレ…」

(まただ。)

克哉は暗くなる。
自分は何とか穏便にことを済ませるために話しているつもりでも、こうして相手を不快にさせてしまうことばかりなのだ。自分はつくづく話し下手だと思う。
だがこんなことで諦めてはいけないのだ。
教員仲間の為、生徒の為にも…!

「でも、あれは無理だと思うよ! オレにできることることだったらなんでもする! だからっ」
「ほう…」

ぴくり、と御堂の眉が動いた。

「なんでもする、だと?」
「ああっ!」

一縷の望みにかけて克哉が力強く肯定を返した。
御堂は嬉しそうに笑う。その笑みは獰猛で、克哉の背中に冷たいものが走る。

「なら、勉強でも教えてもらおうか」
「勉強…?」

御堂の要求は意外なもので、克哉の緊張は一気に緩んだ。しかし成績優秀な御堂に自分が教えられることなどあるのだろうか。
御堂は続ける。

「ああ。言っておくが、家庭科は勿論のこと貴方に教えられることには興味が無い」
「じゃあ、どんな…」

そして御堂は、蜘蛛が獲物を縛る為の糸を吐き出すように、告げた。

「そうだな…。貴方には、セックスの相手でもしてもらおうか」





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