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18禁BLゲーム「鬼畜眼鏡」に溺れる管理人の萌えやSSで構成されたブログです。  ※18歳未満(高校生含む)はお引き取りください。  リンクフリーです。(詳しくは「はじめに」をご覧下さい。)

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SS「迷惑な贈り物」1

三日遅れのクリスマスSSです。


やっぱり書きたかったので書いてしまいました;

ベストエンド後で同棲済の御堂×克哉←本多で、本多主体です。
御堂さんと本多の中身が入れ替わるという柘榴マジックネタです。

切ない話になりきれずにギャグ風味なところもあります。


では、続きからどうぞ。

恋人の居ない者だけで集まるパーティーに参加した、クリスマスイブ。フルーツの沢山乗ったクリスマスケーキは上手かったが、普段あまり感じない寂しさを味わう羽目になった。

それから一夜明けたクリスマスの今日、本多憲二は目覚めた瞬間にベッドの中で硬直した。


…―何故なら元同僚であり密かに恋愛感情を寄せている相手、佐伯克哉が隣で寝ていたからである。



―迷惑な贈り物―
From Mr.R to Honda...




最近まで自分の想いに気付いていなかった本多が克哉への気持ちを自覚したのは、克哉に同性の恋人ができてからだった。
したがって克哉と同じベッドに寝ていては問題であり、加えて互いに全裸であったなら大問題だった。

「な…っ」

動揺して半身を起こしかけた状態で停止する本多。
隣でぴったりと身を寄せて寝ていた克哉との間に隙間ができて、本多の方に顔を向けてうつ伏せに寝ている克哉が、寒そうに眉を顰めるのが見えた。

周囲に目線を移すと、そこは本多の知らない部屋だった。
キングサイズのベッドはもとより、照明、絨毯、ウォークインクローゼットなどなど、どれをとっても本多の家には無い高級さだった。ベッド脇の棚の上で八時を示す時計でさえも、かなりいいものに見える。

おかしい。
まさかここは克哉の恋人の部屋ではないだろうか。
本多がそう思いつつ取り敢えずこの危険な状況から脱出しようと、シーツを少し捲って足を下ろそうとした、その時。

呻きながら克哉がもぞもぞと動き、本多の腰元に腕を回し引き寄せてきた。
息を詰めて克哉を見やると、彼は半覚醒の状態で口を尖らせ文句を言った。

「寒いです…。行かないで……」

上目遣いに不満そうに言う克哉は、今から地球を走り回って皆に教えてやりたいほど、可愛い。
ね?、と言いながらますます本多に近付いて、脇腹に頬で擦った。

沸騰しそうな位身体が熱くなってきた本多は、何とかそれを気取られないように克哉の腕を外しながら言った。

「で、でも…。これはまずいんじゃねえか?」

その瞬間克哉はびっくりしたような顔でベッドに仰向けに寝転んだ。本多に外された腕は行き場をなくし克哉の顔の横に落ちる。

だが本多にとってはそんなに驚かれるようなことを言ったつもりはない。きちんと恋人がいる克哉が自分と裸でベッドに寝ていたなど、どう考えても克哉が浮気したように見えるではないか。
昨晩自分は独り身の寂しさと克哉への劣情から、彼を襲ってしまったのだろうか。

自他共に認める酒豪である本多が、酔った勢いで間違いを起こし尚且つその記憶を失ってしまうことなど、考えられないが。

「どうかしたんですか? …何かいつもと話し方が違います」

困惑顔の克哉に、それはこっちの台詞だと本多は言いたい。
互いに同い年で元同僚の本多と克哉はいつもタメ口で話していた。それが今は克哉が丁寧語になっているのだ。
目覚めてから今まで感じていた違和感が膨れ上がる。

「いつもこんな感じだろ…。克哉の方こそ、変だぞ」
「いいえ。…それに、何がまずいって言うんですか? オレ達、こ、恋人同士なのに…」

軽く頬を染めてシーツで顔を隠す克哉は、今すぐ誰も居ない世界に押し隠してしまいたいほど、可愛い。
だが本多は克哉の言葉に違和感を爆発させた。

(恋人? 俺と克哉が? いつから?)

克哉にはれっきとした恋人が居るのだ。
それは自分ではなく、本多にとっていけすかない男だったはずだ。

激しく混乱するが、次の克哉の言葉で今までの不思議な空気の原因が分かった。
…分かったからといってもそれでますます混乱してしまったのだが。


「ね、おはようのキス、して下さい。御堂さん…」


雷が落ちたかのような衝撃。

どうして本多の最も嫌いな、克哉の恋人の名前で自分のことを呼ぶんだと、叫びたい。
だが克哉がどういうわけか本多を恋人と見間違えているのならば、今までの不可解な態度にも頷ける。本多にだったらあんなことはしないのだ。
微笑んで、抱きついて、甘えるように話すなんて。

胸を締め付けられるような切なさを押し殺して、本多は克哉に諭すように言う。
本多にとっては幸せでも苦しいこの夢から、克哉を目覚めさせたやらなければ。

「克哉。何を言っているんだ。どうして俺が御堂のヤローなんかになるんだ」
「?」

首を傾げつつも克哉は、「御堂さんの一人称が『俺』なのってちょっとかっこいいですね」などと言いながらベッド脇にあった棚から鏡を取り、本多に向けた。

「ほら、御堂さんでしょ?」

確かにそこには、御堂孝典その人の顔があった。

漫画みたいなことがあるわけないと思いつつ、実際に自分は今御堂孝典になっているようなのだ。どんなからくりがあるのかは分からない。
この高級そうな部屋も彼のものだろう。
本多の逞しい胸がちくちくと痛む。今自分は御堂の身体を乗っ取っていて、克哉は真っ直ぐに恋人を愛していただけだったのだ。

ショックで固まる御堂の外見をした本多から、克哉が鏡を奪い取ってねだる。

「よくわからないですけど、寝惚けてらしたんですか? それならおはようのキスでちゃんと起きましょうね」

今日はクリスマスなんですから、と言いながら目を瞑り本多に顔を寄せてくる。

まだ受け止められない異常な事態と、目の前の愛しい愛しい克哉。
本多のことを御堂だと信じて疑わない純粋な克哉に求めれて、本多の中で邪まな欲望が首をもたげる。罪悪感と倫理観に押されて今は我慢していられるが、これ以上抵抗できそうに無い。

断るべきだとわかっていてもそう言えないし、キスしてやるわけにもいかず悩んでいる本多に、克哉が業を煮やして眼を開ける。

「もうっ、オレのほうからしちゃいますよ…?」

そう言って両手で本多の、というか御堂の顔を包んで克哉の方から口付けてきた。
本多が想像していた以上に克哉の唇は柔らかく、舌は淫らで、唾液は甘い気がした。

角度を変え何度も口付けを交わす。
ん、と時折漏れる克哉の吐息は本多の下半身を熱くした。克哉が積極的に舌を絡めてきて、本多は翻弄されるばかりである。

克哉への恋情に気づいたとき、克哉がどういったキスを恋人と交わすのか、セックスのときはどんな表情をするのか、本多は想像しては独りの夜を過ごしていた。
今現実が目の前にあった。

目覚めのキスでこんなに熱烈なことをしているのかと、本多は今更ながらに克哉の恋人に嫉妬する。ひとつ嫉妬するとあとは堰を切ったように心中から暗い思いが溢れてきた。

いつの間に二人は同棲していたのかだとか、毎日克哉のあんなに優しい顔を見ているのかだとか、こんなに気持ちが良いキス以上のことを許されているのか、だとか。

しかし何より、この唇が自分のそれでないことがひどく悲しかった。
克哉にとってこのキスは御堂へのものであり、熱も、感触も、声も、何もかもが本多のものではないのだ。

悔しさと羨望と、大きな罪悪感を残し唇を離した。うっとりと微笑む克哉の顔を見られなくて顔を逸らした本多は、何も言わずにベッドから降り立ち上がった。

「どうかしたんですか?」
「俺の家に向かう」
「え?」

どいうことかと訊ねてくる声を無視して部屋を出て適当に歩き、目当てのバスルームを見つけたので借りることにする。
シャワーを浴びながら、本多は考えていた。

自分が御堂の家に御堂の顔をして居るということは、もしかしたら御堂が自分の顔をして自分の家に居るかもしれない。
そうでなかったら御堂の中身はどこへ行ったのだろうか。そして本多の身体は。

恐らく、御堂は本多の家に居るだろう。

「それにしても…」

本多は自分の下半身にそそり立つ欲望の証に困惑する。克哉とのキスで反応してしまったのだ。
御堂の身体なのに悪いと思うが仕方ない。

鏡に映った御堂の身体は綺麗なものだった。
本多ほど筋肉質ではないにしても無駄なくしっかりと筋肉を纏い、脚も長い。本多と比べて色も白いし体毛も薄めだ。
しなやかで、美しい。

顔だって一級品だ。ややタレ目の本多とは違い御堂の目はツリ目で、眉もしゅっとしていて顎は小さい。瞳は紫がかっているようにも見えて芸術的だし、大きすぎない口は本多には無いものだ。

(克哉はこういう男が良いのか…)

ぼんやりと眺めていると、御堂の顔は頼りなげで今にも泣き出しそうになる。今の本多の心境が現れているからであり、当然御堂のこんな顔を本多は見たことが無かった。
御堂はいつだって毅然としていて皮肉屋だ。

本多は自分の暗い心境をも洗い流すようにしてシャワーを終えた。手近なタオルを拝借して、寝室に戻る。
するとそこには携帯電話で誰かと話している克哉の姿があった。まだ服は着ていない。下半身にシーツがかかっているのが本多にとって幸いなことだった。

誰と話しているのかといぶかしみながらクローゼットを勝手に開ける本多に、克哉は目で何事かを訴える。

「だーかーらー。本多が何言っているのか全然分からないよ。御堂さんは今こっちにオレと一緒に居るし、電話でだけどお前の声はちゃんと本多の声だってわかるし!」

本多の背中に冷や汗がつたう。
どうやら克哉の電話の相手は御堂のようだ。
やはり本多の推測していた通り、身体と中身が入れ替わってしまったのだろう。

「かわる」

御堂の服を適当に来て、克哉から電話を奪う。御堂が本当のことを言っても克哉は信じなかったようだから、やはり三人で集合するしかないだろう。

「あ、もしもし、本多です。今からそっち行きますんで。ええ、ええ。ちゃんと克哉も連れて行きます。説明はそのときに。…俺だって何が起きているかわかりませんよ。…とにかくあとで!」

電話の向こうで怒鳴る自分の声を聞くというのは中々新鮮だが別段嬉しくない。
通話を終えた携帯を返すと、克哉が疑問で一杯の顔でそれを受け取った。

「どういうことですか? 『本多ですけど』って、御堂さんなのに…。本多も分けわかんないこと言ってましたけど」
「いいから克哉も仕度しろ。出かけるから」

本多のアパートには車はない。だが御堂が外車とはいえ車を所有していることを知っているので、本多はこちらが御堂の居る本多のアパートに向かうことが良策だと考えた。

慣れない左ハンドルの車を運転する為集中が必要だったのもあるが、隣で混乱している克哉の質問に答えたくなかったので、本多は道中ずっと黙っていた。
常識的に考えてこんな状態のまま御堂と克哉が愛し合うことは難しい。本多だって複雑だ。それ以前に仕事のこともある。このままではいられない。

だが本多は克哉のキスを忘れられそうに無かった。許されるのならこのまま入れ替わっていたい。
いや、欲しいのは克哉の恋人の座である。

克哉の微笑が、愛が、真実本多に向けられるものであったなら嬉しいのに。
自分の唇で、腕で、克哉を愛することが咎められないのなら、こんなに幸せなことは無いのに。

本多は溜息を堪えられなかった。





     →2(+おまけ)

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