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18禁BLゲーム「鬼畜眼鏡」に溺れる管理人の萌えやSSで構成されたブログです。  ※18歳未満(高校生含む)はお引き取りください。  リンクフリーです。(詳しくは「はじめに」をご覧下さい。)

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SS「幕末パラパロ」

幕末新撰組パロ。
パラレルと言ってもいいかも。
だから仮タイトルは幕末パロパラ。分かりにくいですね…。

ですがタイトルが出てこなかったので今のところはこれにしておきます。
決まったらひっそりと修正します。
→正式名称に格上げ

さて、新撰組ファンの方、史実に詳しい方、本当にすみません。
殆どがファンタジーです捏造です。


この話は何話かの連載で、分岐になります。
この時点ではまだ分岐はしません。次の次くらいでルートを選んでください。
オールキャラの出演を予定しています。が、カプは御克、本克、太克の三ルートになるかと思います。
もしかしたら克克が入るかも知れません。


では、続きからどうぞ。

「全く! 危険な単独行動とは君らしくもない! 少しは反省しているのか!?」
「…はい。すみません……」

怒鳴られた青年は俯き、膝の上で握りしめた自身の拳を蒼い目で見つめた。

自己の出生もあやふやな彼は、その珍しい目の色で随分差別されてきた。薄い髪色、長身、高い鼻。どれをとっても周囲から目立ち、浮いていた。
外見の所為もあり今まで根無し草だった彼は、最近漸く居場所を手に入れられた。剣の腕と聡明さを買われ、「新撰組」の一員となったのだ。力さえあれば前身は問わないという野蛮気な組織ではあったが、それでもやっと見付けたこの「帰る場所」から、彼は去りたくなかった。

けれど今、その大切なものを、先日自分が起こした不祥事で失いかけていた。

「謝罪が欲しいのではない! 過去の原因と、分析と、今後の行動が必要なんだっ!」

彼の前で酷く激昂している青年は、彼の七つ年上の新撰組副長、御堂孝典だった。
御堂副長は冷静沈着で理性的で、そして優秀だった。その先見の明や機敏な動きで新撰組を支えてきたのだ。しかし、組または局長への余りの忠誠心ぶりが時には非道だと思われ、一部では「鬼の副長」とも言われていた。

そんな御堂をこうまで怒らせてるのは自分なのだと、ますます青年は背中を丸めて反省した。

先日の事件は、とある嫌疑の掛かっていた人物らの会談への討ち入りの際に起こった。
青年を始め数名でこれに臨んだのだが、彼は生かして捉えるはずだった者たちの一人を殺してしまったのだった。不意を突かれ反撃され、敵の刃が迫っていたとはいえ、これは組に対して損害であるし、事を大きくしてしまったのだ。青年に非がある。
良くて謹慎、最悪の場合追放もあるかもしれない。青年は泣きそうな顔でさらに拳を握った。

「だから! 原因はこいつが斬られそうだったことで、斬られないように斬ったことは正当だっていう分析が出来て、今後は危なくならねーように気をつける、ってことでいーだろ!?」
「本多くんは黙っていてもらおうか!」

青年の隣には彼と同い年ほどの、「本多」と御堂に呼ばれた男が胡坐を掻いていた。新撰組の二番手を前にこの態度は大問題であったが、散々の罰にも懲りない本多に、御堂も諦めているようだった。

本多は青年の唯一無二の親友で、新撰組に入るきっかけをくれた恩人でもあった。その強さは新撰組で断トツ。豪放磊落で大酒豪、快活な傑物だ。そして青年のことをよく気にかけてくれる情の厚い人間だった。
今もあの日同じ場所に居た同志として、いかに不可抗力、正当防衛であったか、御堂に進言してくれているほどである。

「まぁまぁ。御堂さんもあんまり怒ってばかりいないでくださいよ…」
「局長っ!」

その時、青年たちの居た部屋のふすまを開けて、困り顔をした、少し皺が深くなってきた人物が入ってきた。御堂が「局長」と声を掛けたとおり、彼ら新撰組を束ねる豪傑と名高い片桐局長である。
その温厚そうな笑顔とは裏腹に実は御堂以上の冷血な鬼なのだとか、刀を持たせると本性が出るだとか、色々言われてはいるけれど全て根も葉もない噂や冗談だ。
片桐は見たまま、我慢強さと人柄だけで今まで生きてきたようなお人好しだった。

「しかし…!」
「彼も充分反省してますよ。それに本多君の言うとおり、本当に危ないところだったんでしょう。僕は本多君と、佐伯君を信じていますよ」
「片桐局長…っ」

青年―佐伯克哉―は天の助けとばかりに片桐を見上げた。それに対し茶目っ気のある笑顔の片桐は「でもね、」と続けた。

「御堂さんだってちゃんと全部わかっていらっしゃるんですよ。ただ、君が無事で良かった、って素直に言えないだけでね」
「きょ、局長!」
「なーんだ御堂副長、克哉のこと心配していただけなのかよ。ははっ」
「副長…」

驚いて克哉が御堂の顔を見たが、隠すように逸らされていて表情は分からなかった。けれど代わりに、赤くなった耳がこちらに丸見えになっている。
安心と嬉しさで、くすりと克哉は笑って礼を言った。

「…ありがとうございます、御堂副長。それに、局長も、本多も…。
でも今回のことは本当にオレの失敗です。計画を駄目にしてしまった罰を受けさせて下さい」

腹を決めて克哉が処分を求めた。
隣で本多が俄かに緊張するのを感じたが、克哉もけじめは付けなければならないだろう。御堂の言葉を待った。

「…いい覚悟だ。それでは暫く君には前線から外れてもらおう。巷で騒ぎになっている、例の事件の方に回れ」
「例の…って、あの、少年の…」
「そうだ。本日から調査に入ってくれ」

新撰組では幕府のための戦闘以外に、町の安全を守るという役目も担っていた。そちらは討ち入りなどよりも幾分軽い仕事である。が、平和な日本を創ろうという新撰組の宿願の為におろそかに出来ない職務でもあった。

「つまり、御堂さんは佐伯君が危ない目に遭わないように、少しの間難しくない仕事をして勘を取り戻して欲しいと思っておられるんだね」
「局長っ!」
「けっ。俺にもお見通しだっつの、副長。甘いお裁きなことで。まったく『鬼の副長』とは誰の渾名だったっけかなぁ」
「新撰組はいい人ばっかり集まりましたねぇ。僕も安心です。…佐伯君、これからも頑張ってくださいね」

片桐と本多が笑う中で、克哉はただただ自身の幸運に感謝していた。これだけ自分を想ってくれる仲間たちと出会えた、この幸運に。
本多の言うとおりこの処分は軽すぎるものだ。命掛けの任務を完璧にこなすことが出来なかった自分を責める気持ちで胸がいっぱいだった克哉は、拍子抜けしてしまう。代わりに胸の中には安堵と喜びが満ちていった。

「……ありがとうございます」

渾身の感謝を込めて深々と土下座をする克哉に、不機嫌さを繕った声が掛かった。

「顔を上げてさっさと行け。
…我らが新撰組局長は、間違ったことはおっしゃられないからな……」

つっけんどんな言い方ではあるが、自分もまた克哉を案じているのだと、片桐の言葉を認めることで示す御堂に、克哉は畳に向かって微笑んだ。



けれども克哉には、人には言えぬ暗闇があったのだ。
それを晴らさねば、決して心の底から仲間と笑い合えることは無いだろう。

そしてこれから、克哉はその暗闇と向き合うことになるのだった。

暗く深い、その闇は、果たしてどんな末来に繋がっているのか…――。



***



克哉は孤児である。
戦の絶えない戦国の世から何年か経ち、幾分平和になったとは言え今もまだ孤児は珍しいものではない。金に困り親が捨てた子、病で親が死んでしまった子、様々な不幸な子供たちが、この江戸末期にも確かに居たのだ。

克哉はそんな孤児たちの中では幸運な方だった。捨てられたのが寺の前であったのでその寺で育てられた。何年かするうちに坊主にするには余りにも賢い少年だと分かったので、寺に縁のある武家に方向に上がらせてもらい、そこでも主人にいたく気に入られ勉強に励むことが出来た。寺で文字を習い、剣の腕は武家で磨いたのだ。家族と思える程に打ち解けた人間は居なかったが、それでも充分幸せな日々だった。
しかし、十二になるまではそうやって順風に生きてきたが、ここで武家が傾き克哉は浪人となってしまった。寺に戻りたくは無かったし、武士の誇りの裏を知ってしまったので、武士として生きていくことも出来なかったのだ。

そうやって用心棒や便利屋の真似事をしながら根無し草をして十年近く生きた頃、本多と出会った。志し高い本多に何故だか見込まれて、共に新撰組に入隊したのだった。
それから三年ばかり過ぎて、克哉が二十五の年、今からつい三ヶ月前のことだ。

克哉は眼鏡を掛けた美しい異人の男に邂合した。

―こんばんは

彼は謳うように話した。異国の言葉ではなく日本語ではあったが、克哉には不思議な言葉に思えた。
月の綺麗な夜だった。夜間の見回り中に相方が小用を足している僅かな間、赤い橋の真ん中で、克哉と異人の彼は向き合った。

―あなたに幸運を授ける道具を差し上げましょう

断る克哉に強引に押し付けられたのは、何の変哲も無い、眼鏡。
視力が悪いわけでもないのに掛けられない、と固辞したのだが、異人は強く勧めてきた。

―これを掛ければあなたは変わります

本多に誘われたので新撰組に入隊したが、大した功績もあげられずこのままでは居場所を失ってしまうかもしれないと密かに危惧していた克哉にとって、この言葉はひどく甘美だった。
克哉はいつだって自信が無い。寺に居たときも武家に居たときも放浪していたときも、人に褒められるたびに居心地が悪かった。心底打ち解ける相手に出会えず、一人で居るような思いだった。

しかしここ、新撰組では違った。明るく世話を焼いてくれる本多に励まされるし、厳しいが凛として強い御堂には憧れるし、穏やかで真理を突いてくる片桐には癒された。この世界を失いたくない。この世界から捨てられたくない。
克哉は変わりたかった。

男に促されるまま、克哉は眼鏡を掛けた。そして、それから数時間の記憶が、克哉には無いのだ。気付いたときには翌朝で、自分の部屋に居た。

――そして克哉が眼鏡をもらったその日が、最初の連続男性陵辱事件が起きた日だった。





     →第二夜

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