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18禁BLゲーム「鬼畜眼鏡」に溺れる管理人の萌えやSSで構成されたブログです。  ※18歳未満(高校生含む)はお引き取りください。  リンクフリーです。(詳しくは「はじめに」をご覧下さい。)

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SS「幕末パラパロ」・第三夜 ―本多―

第二夜(前回)

幕末パラパロ・最終夜、本多編

御堂編
太一編

克哉に問うたのは、本多だった。

新撰組の同志、本多憲二。彼は正義と強さだけで生きてきたような人間で、罪を迷うことなく焼き滅ぼす、太陽だった。
終わりだと、克哉は思った。

「そんな…」

終わりだ。
あの本多が自分の犯したことを黙認してくれるはずが無い。恥ずかしい咎人として、皆の前で罪を暴かれ、批難されるのだ。もうこれで終わりだ。

本多の自室に消灯時刻を過ぎた頃来いと言われた時点で、こうなるのではないかと危惧していた。勘の良い本多の双眸から逃れられるはずがないのだ。それでも行く外はないので渋々訪ねると、特に何をしていた風もなく本多は座っていて、克哉に向き直った。そして言い淀む様ではあったが、最近の事件の犯人はお前ではないかと訊ねられたのだった。

「どうして、そんなこと言うんだ…?」

震える声で、何とかごまかそうと言葉を紡ぐ。克哉の形の良い頭の中では必死に道を探っているが、しかしそんなものは無いのだという声も聞こえる。克哉は正座した膝の上で両の拳をぎゅっと握りしめた。これから襲い来るだろう痛みに耐える為に。

しかし、予想していたそれは現実にはならなかった。

「隠すなよ。隠し通せるわけねぇんだから」
「…っ」
「俺はお前が夜中にここを抜け出すのを見たことがある。…―そして、その夜事件は起きた。俺もこれだけで直ぐに因果関係を疑うことはねぇけど、だけどお前と被害者の一人が直接会ったとき、不穏な動きがあったという話を聞いた」

苦渋の表情で本多は事実を語った。捨てられた小さなみすぼらしい猫を、拾うことができなくてその言い訳をしているように。

話とやらは松浦からだろう。彼は確実に真実だと判断したことしか言わない男だ。しかし真実であっても松浦は積極的に話す性格ではないが、唯一本多にだけは何だかんだと言って会話をしていた。

だが、本多は克哉の思っていた行動―すぐさま縛り上げ、御堂副長や片桐局長に告げる―を取らない。辛そうに俯きながら仕方なく言葉を紡ぎ克哉の精神を削るだけだ。何故なのか。

克哉は覚悟を決めた。ここまで暴かれたのなら、本多の中で今回の犯人は克哉と断定されている。言い逃れは微塵も出来ない。それなら白状し、裁かれるのを潔しとしたのだ。

「…お前の考えてる通り、一連の事件はオレが犯人だ。……さあ、何でも罰を受けるから、裁いてくれ」

沈痛の面持ちで克哉が土下座をすると、本多はそれを制して言った。

「お前の罪は明るみには出ない」
「…え……?」

思わず顔を上げた克哉の目に映ったのは、刀のように真っ直ぐなはずの男の昏い眼だった。ぎゅうと心臓を鷲掴みにされたような感覚が、した。

「俺の知り合いに、大きな店をやっていて用心棒が欲しいっていう人が居る」

呟くように言われているのは、権藤のことだろう。権藤はあくどい商人で、あまり尊敬していないらしいが前からよく本多は世話になっていて頼っていると聞いた。そして権藤は、多少の前科のある人間でも自分の身を守らせるために強い人間を探しそうな男だ。

「そして事件の犯人のことはお前と、俺しか知らねぇことだ。口外はしない。お前は新撰組を抜けて、権藤さんとこへ行け」
「本多…」

畳みに指をそろえて手を突いたまま、救いを見出したかのように本多に視線を注ぐ克哉に、本多は言い放った。彼らしくない闇色の瞳で。

「だから、お前を抱かせてくれ」

一瞬、克哉は意味を図れなかった。

本多も何も言わないので、克哉はゆっくりとその言葉を咀嚼した。そして漸く理解し始めると、みるみる顔を赤く染めていった。

「な…っ、なんで…!」
「なんで? 決まっているだろう。あんな事件を何件も起こすってことは、お前がそれだけ性欲を持て余しているということだ。それを解消しようと言うんだ。有効な方法だろ」

揺ぎ無い声で本多が言う。しかし克哉には外国の言葉に聞こえたことだろう。
罪を償う為に切腹をすると比べたら当然本多と共に寝ることの方が遥かにましだが、男と交わることを好むのは眼鏡を掛けたもう一人の克哉であって、自身ではない。
それにしても、本多が克哉と抱き合うことを何と思っているのかが全く分からなかった。

本多は真っ青な顔をした克哉に、安心させる為か、堪え切れなかった為か、告白する。

「お前になら、抱かれてもいいが、出来るならお前を抱きたい。ずっと、そう思ってたんだ。もう、我慢しなくていいよな……?」

その言葉に、ぞくりと背筋が震えたのは、果たして気のせいだろうか。




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