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18禁BLゲーム「鬼畜眼鏡」に溺れる管理人の萌えやSSで構成されたブログです。  ※18歳未満(高校生含む)はお引き取りください。  リンクフリーです。(詳しくは「はじめに」をご覧下さい。)

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御克忍者パロSS2/Ver.克哉忍者

みどかつ忍者もの、ノマ克が忍者・御堂さんはえろ殿の第二弾です。
第一弾

まだ終わりませんでした。


では、続きからどうぞ。


深い山に囲まれた緑豊かな隣国に、克哉は居た。

小鳥たちがさえずる声もない静かな森の中は、昼間だというのに薄暗い。時折風邪が葉をくすぐる以外には、克哉たちの足音しか聞こえない。空気は水を含んでいて心地良く、少し暖かさを感じた。

しかし克哉はそんな周りの自然の美しさに目を向けることなく、旅人に扮した格好で同様の仲間たち数人と緊迫した雰囲気の中、歩いていた。勿論敵国を偵察するという任務の為である。
かれこれ二時間ほど獣道を歩き続けていると、人の気配が近付いてくるのがわかった。

俄かに緊張感が高まる。
誰も何も言わないままに、周囲への警戒を強めた。

数秒後、気配だけでなく走る音までが分かる頃になって、走ってくる人間が「赤い鳥が居た!」と叫んでいるのが聞こえた。それを聞いた克哉たちはほっとし、緊張を和らげる。「赤い鳥が居た!」というのは克哉たちの仲間内での暗号だったからだ。

当然暗号は任務のたびに毎回変わるが、その場で言ってもおかしくない言葉で、しかしそうそう無関係の人間が言いそうにない言葉が選ばれる。今回は森の中ということで、「赤い鳥が居た!」となったわけだ。

走ってきた男は敵が変装している様子もなく、確かに仲間の忍者だった。彼は慌てた様子で城からの伝令を話した。
それによると、昼前から御堂の姿が見えないそうだった。朝に体調が悪く伏せったらしいが、それ以降誰も気付かぬうちに居なくなってしまったのだと言う。

克哉を始め全員に衝撃が走る。

「重臣たちから、偵察は切り上げて全忍者で殿の捜索に当たるよう命令された」
「了解した」

克哉たちはそれぞれ分担して自国の領土外を捜索することになった。本日領土内に居た別の忍者小隊が領土内を受け持ち、丁度領土外に居た克哉たちはそのまま近隣を捜索したほうが合理的だからである。

「恐らく殿が国外に出ることはなかろうが、しかしそれでも殿のお考えが分からない以上は国外であろうと気を抜かず捜索しよう」
「応」

隊長の言葉通り、御堂は領土内に居ると考えるのが自然である。領土外を割り振られた克哉は臍を噛む。

御堂が自ら失踪したと考えられるこの状況に、克哉は人一倍衝撃を受けていた。
自国の長でもあるし、今朝方まで交わっていた相手でもある。気にならないというほうが可笑しい。

克哉ははやる気持ちを抑えて、克哉に捜索が割り当てられた、本日向かう予定だった隣国へと駆けた。見つかる可能性は低いが、それでも何もしないではいられなかった。



***



その頃、克哉の向かう先に、御堂は居た。

なんと一城の主は敵国の茶屋で、団子を頬張っていたのだ。
城を抜け出し予め用意しておいた庶民の服に着替え、一山越えた隣国に忍んできていた。

これは御堂にとって一世一代の反抗であった。何に、とは言うまでもない。克哉に対してである。
自分の思い通りにならないあの忍びに一泡吹かせてやろうと、彼の任務を横取り―つまり敵国の偵察―を実行しているのだ。

恐らく克哉たち忍びなどは全員で自分を探しているだろう。そう考えると御堂は愉快になった。偵察を済ませて城に帰ったとき、皆はどんな顔をするだろうか。
大半の人間は安堵と困惑、怒りなどの感情を表情にするだろう。

だが、克哉の顔が思い浮かばない。

安堵してくれるのか、もしかして呆れるのか、はたまた嗤うのか、御堂にはわからなかった。
克哉のこころは、いつも御堂には不可解なのだ。言葉では拒むのに身体は受け入れ、傍にいるのに近づけない。克哉は御堂にとってどんな戦よりも難解だった。

しかし、御堂がわからないのは克哉のこころだけではない。
自身のこころも、はっきりとしなかった。

克哉のことをどう思っているのか、どうしたいのか。
わからないから、今日こんな暴挙に出たのかもしれなかった。

二人の関係を、御堂は変えたかった。

「……。何を馬鹿なことを」

自身の考えに苦笑して、御堂はひとりごちた。その時。

「お探ししました…っ」

低く押し殺した声で、克哉が御堂の目前に突然現れ、言った。

瞬身の術を使ったようだ。急だったことだけでなく、かなり人が多い場所で忍術を使うという、普段の彼らしくない軽率な行動にも驚いた。

克哉は珍しくも息を切らし、肩を上下させ、顔は真赤である。

それにしても、まさか克哉に見つかるとは思っていなかった。全忍びの力なら御堂も逃げ切れるとは考えていないが、それでもよりによって克哉に捕まえられるとは。

「驚いた」
「こちらこそです」

御堂はまじまじと見つめた。
想像してもわからなかった克哉の表情を。

「……何故泣く…」

克哉は泣いていた。
安堵も、困惑も、怒りも混ぜて、泣いていた。
嗤いも、呆れもしないけれど、泣いていた。

「何故…?」
「決まっているじゃないですか…っ!」

手酷く抱いても詰っても、なかなか泣かない克哉が。
御堂のことを避けるような、しかし時折気にしたそぶりを見せていた克哉が。

「貴方は何にもわかってない…」

克哉は拳で右目をぐいと拭う。

御堂は一瞬その涙の味を確かめたい衝動に駆られたが、突風のようなそれは直ぐに去った。
周囲の注目も無視して、二人は見詰め合う。

「無断で、しかもお一人でどこかへ行かれることの危険さを。敵国に行かれることの無謀さを。貴方を探すひとの数を。貴方の…、貴方の大切さを!」
「っ! しかし、それはどうせ私が殿であるからだろう? 私が例えば町人だったら、君はそんなことを言わないんだろう?」
「? なにを…」

折角克哉が人目を意識して「殿」と呼ぶことを避けていたというのに、御堂は自ら身分を言ってしまった。しかし克哉もそれに気付かない。御堂が急に目の色を変えたように怒りだすのが理解できなくて、それに気を取られてしまっているのだ。

「…気に入らない。君たちが、君が大切に思っているのは自国の主であって、私ではないんだろう!?」
「っ! このわからずやっ!!」
「!?」

御堂が大声を上げて克哉を責めると克哉は何かがぶちりと切れたように、己が君主に向かって、叫んだ。
これには御堂も驚き眼を瞠る。

「あ、貴方は本当にわかっておられない! 皆、貴方の才能やお考えに感銘を受けていることを!
オレが、オレがどれだけ貴方を想っているのかを!!」
「な…、さえ、き…―?」

はぁ、はぁ、と荒い息を吐いて言い切った様子の克哉の名を、半ば呆然とした面持ちで御堂が呟く。今自身の耳に届いた言葉が真実か、判断に困ったように。

暫し無言で見詰め合う二人だったが、ここで邪魔が入った。
遠巻きに見ていた人々が騒ぐ二人の「殿」だとか「主」だとかの言葉を怪しみ、同心を呼んだらしい。十手を構えた男たちが数人走ってきた。

「貴様ら、何者だ!」
「っ、殿! ここは一旦逃げますよ!」
「ああ!」

男たちの姿に、克哉は隠し持っていた煙だまを勢いよく投げつけ、自身の暴れん坊な主を連れて逃げた。





     →第三弾(最終話)

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