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18禁BLゲーム「鬼畜眼鏡」に溺れる管理人の萌えやSSで構成されたブログです。  ※18歳未満(高校生含む)はお引き取りください。  リンクフリーです。(詳しくは「はじめに」をご覧下さい。)

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御克忍者パロSS1/Ver.克哉殿様

みどかつ忍者もの、ノマ克が殿様・御堂さんは忍者の第一弾です。
ノマ克が忍者・御堂さんはえろ殿Ver.

Mr.R以外全員出ています。
マスターと松浦はわかりにくいですが。探してみてください。

では、続きからどうぞ。

時は戦国。

戦火の絶えない日本において、比較的平和な山間の辺鄙な小国が、佐伯克哉が納める土地だった。

夏は涼しく短くて、冬は寒くて長い。作物があまり育たない土で、これと言って栄えた工業・商業は無い。
そんな貧しい国ではあるが、克哉は自国を愛し、慎ましく暮らしていた。
民たちも克哉を敬愛し、厳しい生活にも一揆を起こすことなくそれなりに満足していた。静かで優しい国なのだ。

しかしそれも数年前の話。
近年は、山を隔てた両隣の国が対立し、克哉の国がどちらに付くかという非常に繊細な立場になってしまったのだ。そのためのんびりと流れていた国内の空気は今や常に張り詰め、どちらの国の味方になるのが得なのか損なのかと、暗くなっていた。

克哉を始め事なかれ主義の家臣たちは中立を貫こうとしているが、蝙蝠とされて両国に攻撃される危険もある。けれど一方の国と同盟を結べば他方の国と戦になる。それで済めばまだ良いが、同盟を組んだ後その国に裏切られる可能性もなくはないのだ。
頭が痛い話だった。

「はぁ…」

克哉はその日もこの国の末来を憂いて溜息をついた。

城の窓から一望できる小さな自国は、両国のどちらかだけにでも簡単に滅ぼされてしまいそうな弱国だ。どうすればいいのだろうか。
毎日考えても答えの出ない問いに、克哉は逃げ出したくなってきた。

勿論愛する自国の為本当に逃げるなどということは出来ないが、それでもどこか誰も自分を知らない場所で、羽を伸ばしたかった。どうせ実現できないのだし、思いつく希望のままに夢想するくらいは許されるであろう。

克哉は窓の縁に頬杖を突きぼんやりと考えてみた。

(うちの国は山に囲まれてるから、大好きな魚もあんまり食べられないしなぁ…)

どこかへ行くとしたなら、海の近くが良い。
ここでは中々食べられない、生の魚を味わうのだ。干物も上手いが、やはり生が一番だから。

(安全で、元気な町を見てみたい…)

一度も言ったことはないが、江戸はとても活気ある町だという。それを間近で見れば少しは自国を栄えさせる方法の勉強も出来るかもしれない。
努力家な克哉はこんなときも国の為を思った。

(お酒もおいしいと良いし、外国の文化にも触れてみたい…)

そこでつと、克哉は自分が隣国のことについてあまり知らないことに気が付いた。

確か片方の国は海に面している為漁業が盛んで、もう一方の国は江戸への通り道の為商業が栄えているらしいが、実はよく知らない。さすがに行ったことはあるが、それでも相手国の城内くらいしか見ていない。

実際によく見てもいないのに、どちらに付くか、はたまたどちらにも付かないか、決められるはずも無い。
それに、見てみた結果、自国の発展に役立てることがあるかもしれない。そうなれば他国の脅威に怯えなくて済む。

実際に見てみる。
これは名案に思えた。

しかし公式訪問したとしても、先方が「見せても良い」、「見せたい」と考えた場所しか見られないだろう。それでは正確な国の顔がわからない。

そうして克哉は、お忍びで隣国に行ってみることにしたのだった。
どちらの国に初めに行くかは悩んだが、やはり魚に魅力を感じたというだけの安易な理由で、漁業で栄えている方を選んだ。

この選択が克哉と、一人の男と、そして三つの国の末来を大きく左右するものだとは、知らずに…―。



お忍びで他国へ行くにしても、自国内で混乱が起きてはいけないので克哉は数人の家臣には計画を話しておいた。皆には表向きは病気ということにして、暫し静養のため国を離れるのだと説明した。

二人の護衛を従えて、旅人に扮して克哉は隣国に入った。

護衛のうち、背の高い方は国一番の力持ち、本多という男だった。
彼は克哉と同い年であることから、幼少の頃より良く遊んでいたものだ。真っ直ぐで正義感の強い熱血漢だった。

二人目の護衛は太一という名の青年で、彼は表向きは父親と共に商いをしているがその実、いくつもの国を股に掛ける盗賊の若頭だった。昔濡れ衣を着せられていた彼を救ってやったことがあり、以来克哉を慕い守ってくれる、用心棒のような存在だった。

どちらも強くて頼もしい護衛だ。国の方は家老である片桐に任せてある。権藤という逆臣の気のある家臣のことが心配だったが、きっと頑張ってくれるだろう。
克哉は責任を持ってお忍びに臨むのだった。

最初に訪問する国は、大隈という男を主とする国だ。
彼はいかにも殿らしい尊大な男だったと克哉は記憶している。年配で落ち着いた相貌だが、相当な野心家なのだ。政治的手腕は結構なものらしいが年貢の取立ては厳しく、あまり民に慕われては居ない。

その大隈に対し、克哉の国のもう一つの隣国は少年が統べている。
まだ十代、「子供」といった年齢の彼は、秋紀という。先代が早くに亡くなったためそんな年齢で殿の座を継いだが、彼をお飾り扱いする家臣たちの横暴が目立っているそうだ。

どちらもあまり素晴らしい国とは言えない。が、克哉は人から聞いた話しだけではなく自分で見聞きし考え、そして決めたいのだ。自国のため、使命感に燃える。

関所を越えて暫く経った。
一行は旅人向けの旅館や土産物屋が並ぶ道を歩いていた。自国とあまり変わらない平民の光景が続く中、突然太一が低い声で言った。

「克哉さん、誰かが俺らを尾行してる」
「えっ」

普段の彼と同じで気さくな呼び方だが、その声音は緊迫している。まだこの国に入って散歩並みにしか歩いていないというのに、もう何者かが不審がっているのだろうか。
克哉の目にはその何者かはわからないが、こういうことに太一は鋭い。裏社会で死線を乗り越えてきた太一だからわかるのだ。戦では無敵の本多だとこういうことには気付けない。

「…かなり気配消すのが上手いね。こりゃ玄人の忍びだよ」
「太一、俺が抑えとくから克哉を連れて行け。落ち合う場所は事前の取り決め通りにな」
「了解」

非常事態に備えて、ばらばらになったときの手はずは打ち合わせされている。しかし入国早々実践する羽目になるとは思わなかった。克哉は焦りつつも走る体勢に入る。

「奴さんは斜め後ろ、風車屋の屋台の影に居る。…克哉さん、行くよっ」
「うんっ」
「おう!」

太一の声で一斉に全員が走り出した。

太一と克哉は同方向、前方に向かって。本多は踵を返し斜め後ろの方向に、全速力だ。太一の言うとおり風車屋の屋台の裏に男が一人居て、本多を見るなり逃げ出した。が、本多のしつこさはすっぽん以上だ。かなり長い時間どこまでも追い掛け回すだろう。その間に克哉たちは一旦逃げて、服を変えてから適当な神社で本多を待つ。そういう段取りになっていた。



本多と分かれた場所からかなり離れた地点まで一気に駆け抜けた克哉と太一は漸く止まる。
ここは城下町のようだ。よく賑わっている。ここら辺りなら呉服問屋があるだろう。

「よし、克哉さん。ここまで来れば大丈夫っしょ。店を探そう」
「そうだね」

日頃から武術の鍛錬をしている克哉も、若いしやはり鍛錬している太一は疲れも見せず歩き出す。
幸い少し歩いただけで呉服問屋は見つかった。

川出屋と書かれたのれんをくぐると、愛想の良い店主が迎えてくれた。屋号のとおり川出という名前の彼に、「それなりに金持ちな旅人」を演じている二人はそれに見合った着物を所望する。

川出が着物を見繕っている間、太一が厠に行きたそうなのを克哉は察した。落ち着かない様子なのだ。くすり、と笑って耳打ちする。

「厠、行ってくれば?」
「げ。ばれてた? でも行けないよ。克哉さんから離れちゃいけねーじゃん」

克哉は苦笑する。
彼は克哉の護衛であるから思うときに厠に行くことも出来ないというのだ。こんな人通りの多い道の呉服問屋で、何かがあるとは考えられないのに。

克哉はそんな軽い――そう、のちに全く軽かったと責められるのだが――気持ちで、太一に再度我慢は良くないと耳元で囁いた。

「手洗いくらいすこしの時間なら、心配ないよ。行ってきな?」
「うぅ。そこまで克哉さんに言われたら…。じゃ、素直に行ってきます」

何故か頬を赤く染めてしまった太一は川出に案内されて、店の中へ入っていった。

克哉に勧められたとはいえ、太一は克哉の傍を離れるべきではなかった。また、川出に危険な匂いを感じなかったからとはいえ、だ。



克哉一人となった呉服問屋に、一人の男が入ってきた。





     →第二弾

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