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18禁BLゲーム「鬼畜眼鏡」に溺れる管理人の萌えやSSで構成されたブログです。  ※18歳未満(高校生含む)はお引き取りください。  リンクフリーです。(詳しくは「はじめに」をご覧下さい。)

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バレンタインSS【克秋】

今頃!?



って感じですが、眼鏡×秋紀でバレンタインネタがあったことに気付いたので上げてみます。


短いですが、ほのぼのな克秋ベストエンド後のバレンタイン話でございます。
眼鏡克哉が冷たいんだか優しいんだかよくわからない感じです。


続きからどうぞ。


二月十四日の夕方。

チョコを渡し想い人に告白するという、恋する者にとっては一大イベントデーの今日は、既に恋が実った者にしても重要な日だった。互いの想いを確認し合い、絆を深める日なのだ。
秋紀にとってもそれは同じで、彼は自身の年上の恋人を想って頬を染めていた。

「克哉さん、早く帰って来ないかなぁ…」

眼鏡が似合う大人な雰囲気の克哉の、秋紀は飼い猫兼恋人だった。
運命の出会い―克哉が同意したことはないが、少なくとも秋紀はそう信じている―をした日から紆余曲折を経て、今は二人で克哉の家で同棲中なのだ。

克哉は気高く聡明な男が好みだと言い、秋紀に学園に通うよう命令した。秋紀はそれに従って、最初の頃はこの家に軟禁されて居たようなものだったが、今では毎日学園に行き、数日は自宅に帰って居る。

克哉曰く学校とは学校でしか学べないことがあるのだから、通えるうちは通った方がいいのだそうだ。そうしておけば社会常識や一般的教養が身につく。それは必ずや秋紀の為になることなのだ。

秋紀は、克哉が秋紀のことを考えて言ってくれたのだと感動したが、克哉にしてみれば学校になど通わなくとも聡明な人間は先天的に聡明で、馬鹿は嫌いなだけだった。つまりお前は馬鹿だから少しは増しになれ、と酷いことを言ったつもりだったのだ。

しかしそれでも秋紀を捨ててしまわない辺り、心底秋紀を馬鹿だと思って居るわけではないのだということに、彼は気付いていない。詰まるところ克哉も鬼のようでいて人間で、自分を好いてくれる人を邪険には出来ないのだった。

そういうわけで、相思相愛、ひいては恋人同士と言って差し支えない二人なのだ。

そんな二人が知り合ってから初めて過ごすバレンタインデー。
秋紀は日頃から克哉へ愛の光線を放ちまくっているが、本日は更に気合いを込めて、バレンタインチョコの手作りに挑戦した。

服や小物にこだわるハイセンスな克哉は、当然食べ物にもうるさい。秋紀が作った料理を食べてくれなかったことはないが、残すことはしばしばあった。
加えて甘い物が好きでない彼だから、秋紀はお菓子の本やネットを漁り、何度も隠れて練習し、チョコレートを作った。

克哉は市販の高価なチョコの方が似合うが、それでも世界に一つだけの秋紀の手作りチョコで、世界に一人だけの克哉に愛を伝えたかった。

「喜んでくれるといいな。でも…」

秋紀は途端にその少女にも見える可愛らしい顔を歪める。

(飼い猫からチョコレートなんて、もらいたくないって言うかもしれない。)

克哉なら有り得そうな話だ。
彼は秋紀のことを猫扱いし、赤い首輪まで着用させている。今まで一度も秋紀を恋人と呼んでくれたことは無かった。

(自分から飼い猫にしてくださいってお願いしたのに、僕は今、克哉さんの恋人にしてほしいなんて思ってる。)

秋紀は泣きそうな表情だ。

恋い焦がれ憧れたひとに飼って下さいと頼み、それが叶った今は恋人に昇格したいと思っているなど、図々しい。なんて自分は欲張りなのだろうと自己嫌悪してしまう。

「こんなことがバレたらきっと克哉さんに嫌われちゃうよぉ…」

秋紀はいつだって克哉に嫌われてしまうのではという恐怖と闘っていたのだ。

捨てないで、と小さく呟いて、秋紀はローテーブルに頬を当てた。その頬を伝い一筋の涙が流れたが、眠りに落ちてしまった秋紀がそれを拭くことはなかった。



***



「帰ったぞ」

克哉は玄関のドアを開けて呼び掛けた。

が、いつもだったらそんなことしなくても―というより克哉が帰って来る数時間前から玄関前で待っているので―幸せそうに笑う秋紀が出迎えてくれるのに、今日はそれがない。

(あいつめ…。何のつもりだ。言い付けを破ったお仕置きをしてやる。)

訝しむよりむっときた克哉が部屋に入ると、テーブルに頬を乗せすやすやと寝ている秋紀が目に入った。

逃げるわけはないと思っていたが、それでもきちんとそこに秋紀が居たことに安堵する自分を、克哉は認識していない。

よく見ると秋紀の整った顔には涙の跡があった。泣いたらしい。
克哉は眉を顰める。

「……。何を思って泣いたんだか…」

誰に言う分けでもなく克哉は呟いて、コートとマフラーを脱ぐ。
そっと起こさないように秋紀をベッドに運んでやってから、有るもので夕食を済ませようと冷蔵庫を開ける。

自炊が趣味なわけではない克哉は大体外食派だったが、秋紀を<飼う>ようになってからは彼が食事を用意してくれていたので、外食することは無くなった。外で済ませてから帰ると、この猫は酷く悲しそうな顔をするのだ。

今日も外で食べなかったので、克哉はそれなりに空腹だった。

「ん…?」

そんな克哉の目に飛び込んで来たのは、大型ボウルいっぱいの…―トリュフ。

手軽に作れて美味しいトリュフは、五百円玉サイズに丸めてある。甘い香りのそれが少し歪つだったので、克哉はふっと笑った。

「ふん…。量を考えろ、馬鹿…」

呆れたような口調だが、嬉しそうな声を隠せてはいない。

一キロ以上ありそうなチョコレートを食べ終わるにはかなり日数が掛かるだろうが、一緒に暮らして居るのだから時間は幾らでもある。泣いて居た理由を問い詰めるのと、出迎えや夕食の準備をしていなかった罰を与えつつ、消費していこう。

振り返って幼い<恋人>を見つめて、克哉は思った。

(まぁ二人で食べればすぐ、だろう…)





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