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18禁BLゲーム「鬼畜眼鏡」に溺れる管理人の萌えやSSで構成されたブログです。  ※18歳未満(高校生含む)はお引き取りください。  リンクフリーです。(詳しくは「はじめに」をご覧下さい。)

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御克忍者パロSS2/Ver.克哉殿様

みどかつ忍者もの、ノマ克が殿様・御堂さんは忍者の第二弾です。
第一弾

では、続きからどうぞ。

克哉は弱小国とはいえ一国一城の主だ。

数々の権力者や指導者に会ったことがあった。彼らは皆一様に鋭い眼光を持っており、喰うか喰われるかの舌戦を日々生き抜く猛者たちだ。
しかし。

暖簾をくぐって入ってきた彼は、その誰にも負けない存在感を持って、そこに立っていた。

圧倒的な空気。吸い込まれそうな雰囲気。
すらりと伸びた長身と美しい姿勢、隙の無い佇まいに目を引かれた。趣味の良い着物の腰には刀は無いが、どうしたって町人には見えない堂々とした感じがある。

「ふん…」

紫紺の瞳を細めて、彼は笑った。

その瞬間克哉の背中を何かが走る。

それは冷たいようで熱いような、痛いようで快感のような、ぞくぞくとした電流だった。瞬く間に全身を駆けて、嘘のように消える。

克哉を射すくめるような眼光は、彼の陶器の如き顔の中で一番輝いている双眸から放たれている。克哉はそれに捉えられ、声が出ない。
彼の鼻は高く、すっとしていて異人のようだ。黒髪は細くしなやかそうで、耳の形が綺麗。にやりと笑う唇は色が良かった。

そうやって克哉が紫紺の瞳の彼の一つ一つの造作に見惚れ、唇を見ていると、彼はその唇を動かして言った。

「君は追われているな」
「へ?」

容姿にそぐう凛とした声に対し、克哉は間の抜けた声で返してしまう。
それに対し彼は店の外を顎で指し示した。克哉がひょっこり首を覗かせると、同心たちが見えた。克哉と目が合うと彼らはこちらに向かって走り出した。
確かに克哉は追われているようだ。

「やばい。どうしよ…」
「さあ、来るんだ」
「わっ! ちょっ」

太一を呼びに行こうと店内に戻った克哉の腕を、紫紺の瞳の彼がぐいと引いた。必然的に彼の胸に飛び込むように距離が無くなり、克哉の鼻にふわりと甘い香りがした。それは紫紺の瞳の彼の着物の香だろう。克哉の心の臓がきゅうと異常を訴えた。

何? と思う間も無く克哉は紫紺の瞳の彼に引っ張られるままに、同心たちとは反対の方向へ走らされた。
後ろから太一の「戻りましたー、あれ?」という声が聞こえたが、克哉は抵抗も出来ず連れ去られてしまったのだった。



***



時は少し遡る。

怪しい人影を追っていた本多は、竹藪で敵と対峙していた。
人家からは離れた手入れされていない竹藪で、遥か天を突こうとしなやかに伸びる何百本もの竹がひしめいていた。少し薄暗く、風も冷たい。

本多は素早い敵を中々捕らえることができないでいたが、とうとうこの竹藪で追い詰めていたのだ。何度も見失いそうになったものの、本多の持ち味である粘りを見せ、敵は体力を消耗してしまった。先程逃げることを止め、本多から十余尺程離れた場所で立ち止まった。

本多も相手の出方を窺い、突然飛び掛ることなく同様に立ち止まる。
ここで漸く敵の姿を両眼でしかと見ることが出来たのだが、黒尽くめの装束である。忍び者のようだ。それであの俊足と気配消しが上手いわけか、と納得してしまう本多であった。

「お前ぇ、どこの国の忍びだ」
「……」

本多の問いに、忍者は指ひとつ動かすことなく背を向けたままだ。本多は質問を変えてみる。

「何のつもりで俺らのこと探ってたんだ」
「……」

今度は反応があった。
彼はゆらりと肩越しにこちらを振り返ったのだ。
目は細く、唇の下の黒子が印象的だった。

「それはこちらの台詞」
「何っ!?」

本多がいきり立った途端、黒子の似合う忍びは一陣の風に紛れ、姿を消した。



***



忍びに逃げられてしまった本多は少し辺りをぶらついてから、とある神社に向かった。人が盗み聞きを出来そうな範囲に隠れられる場所の無い、大きな広場がある神社だ。
聡明そうな狛犬が本多を見据えていた。

到着して随分経ったころ、憤怒の表情の太一が駆けてきた。克哉は居ない。

「克哉はどうした!?」

太一のことは気にせず単刀直入に克哉の安否を確かめる本多に、太一は悔しそうな顔で説明する。
走ってきたので息は切れているが、勢いよく話し出した。

「着物を買おうとして入った店で、俺がちょっと眼を放した隙に連れ去られた! すぐに追おうとしたんだけど店主もぐるだったみたいだ。手間取って、見失った。…ごめん!」
「っちくしょう!」

まずい事態になってしまった。
自分たちは何のための護衛なんだ。これでは克哉の身を守れないではないか。
本多は太一同様唇を噛み締める。

「店主を締めてみたんだけど、どうやら奴は俺らのことをとある御仁に手配されていたらしく、丁度そこへ俺らが来たから密告したんだとさ」
「御仁? 誰だ」
「それは吐かせられなかった。手配って言うのもそいつの直接の手下たちにのみだそうだけど。
そっちはどうだった?」
「ああ…。残念ながら敵を捕まえることは出来なかったが、忍者だったことはわかった。そいつは俺達が何のつもりなのかを探ってるみたいなこと言ってた」

ふぅん、と呟き太一は暫し考え込む。
互いの得た情報を吟味し、意見を述べた。

「本多さんが追った忍びと、克哉さんを連れ去った御仁ってのは別勢力の可能性がある。たとえそうであってもなくても、俺らは目立ってしまってたみたいだね。先方さんらには見え見えらしい。これからはいっそのこと派手に動こうか」
「ってぇと?」

敵は町人の中にも潜んでいるらしい。とても二人では太刀打ちできない。だから、太一は身内の山賊たちにも探らせることを提案したのだ。

「そうだな。俺らが大きな動きをすれば、奴さんたちから何か働きかけがあるかもしれねぇし。城の方にも忍者の派遣を要請しよう。こうなったらお忍びがどうのなんて言ってられねぇ」

危険な判断だったが、克哉の安否が分からない今、これしか道はないように思えた。
二人はそれぞれ文をしたため、それぞれの手づるでそれぞれの仲間に出した。



***



その頃。

克哉は紫紺の瞳の彼に町内を連れ回されていた。この国を見聞したいと言うのなら案内してやると、無理矢理決められてしまったのだ。

同心たちを撒いた後、二人は適当な茶屋に入り改めて向き合った。
暢気に団子を注文する青年に対し、混乱したままの克哉は説明を求めた。

「貴方は何者なのですか?」
「ふん。私は君の身分などは聞かない。だから君も聞くな。名前は教えてやろう」

にやりと笑う彼は、ひどく良い声で名乗った。

「御堂孝典、だ」





     →第三弾

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