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18禁BLゲーム「鬼畜眼鏡」に溺れる管理人の萌えやSSで構成されたブログです。  ※18歳未満(高校生含む)はお引き取りください。  リンクフリーです。(詳しくは「はじめに」をご覧下さい。)

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みどかつSS「朝」

無印のみどかつ「無口な愛情」の翌日、を今更です。

誰も喋りません。(心の中で呟く程度です。)
ノマが出てきません。御堂さんがだらだら考えているだけです。
でも、みどかつスキーなら一度は書きたいシーンです。

では、続きからどうぞ。


『好きでもないなら抱くな』

中々に強烈な殺し文句でもって、佐伯克哉は御堂孝典の恋人となった。

それは二人の歪な関係を考えたらおかしな要求だが、しかし当然の要望だった。
仕事のため、同僚のために親会社の同性に犯されていたはずが、いつしか相手を愛しく想うようになってしまったら、自分への愛のために抱いて欲しいと願うのは、当たり前だろう。

その言葉を言った瞬間、その言葉を聞いた瞬間、克哉と御堂の間でセックスは愛と同義になった。

愛し合う行為という本来の形になったわけである。

しかし御堂は薄情なことに、あのとき克哉を「好き」だったのか、よくわからなかった。

好きでもないなら抱くな。
―…好きならば抱いていい。

そう宣言されて、けれど自分が一体克哉をどう思っているのか、冷静かつ客観的に自己を分析する能力が高いと謳われるMGNの商品企画開発部部長・御堂孝典には、全然明らかでなかった。

(好きかと聞かれたら答えられない。
ただ、逃がしたいかと問われれば否と言う。
その気持ちだけで私は彼をあのとき抱いた。)

全く自己中心的なことに、克哉のあれだけの必死の言葉に、御堂は従ったわけではないのである。
ただ内から生じる衝動のままに、彼を繋ぎとめておく為に、かき抱いたのだ。

渾身の力で、プライドを捨て、切なげに言い放たれた言葉の数々はしかし、御堂の複雑で深い心の中から答えを浮かび上がらせるには至らなかった。
それほど御堂は自己の機微に鈍く、意外に衝動的性格だったのだ。

克哉への愛を自覚したのは、散々その体を貪り、二人して死んだように眠りに落ち、先に目覚めた彼が克哉の寝顔を見たときだった。

克哉は少し顔色が悪い気はするものの、穏やかに寝息を立ててぐっすりと眠っていた。
疲労の色がかえって色気を醸し出している。

僅かに口の端が上がり、幸福を感じているのを隠しもしていない無防備な姿。

それを見て、漸く御堂は一連の自己の不可解な行動、克哉への執着、それらの理由に得心したのである。
己の想いを、認識したのである。

(ああ、これが…―)

この笑顔が、この温かさが、自分は欲しかったのだ。

そう思うこの気持ちは、克哉の言う、”あれ”なのだろう。

御堂は克哉の秀でた額に軽く口付けて、ベッドを出た。
既に太陽は高いところからその陽射しを届けていて、ブランチの頃合いらしかった。

昨晩形振り構わず事を始めた所為で、廊下の所々に服が散乱していた。
雨で濡れていた克哉から滴った水滴は、一応乾いているようだった。しかしかびになるかもしれない。

御堂は眉を顰める。

けれどそんな顔は長く続けられない。
今日の顔はどうも締まりが悪いようだ。

靴下を拾う。
ネクタイ、シャツも拾う。
ジャケットやスラックスだって言わずもがな。

クリーニングに出すためまとめたそれらを適当な袋に入れる。

こんなことをした経験は今までに無かった。
というより、思えばこの部屋に所謂恋人という存在を上げたことがなかった。

克哉のことはこうなる前に一度、人にはとても言えない流れで連れてきたのに。
曰く、昼間のオフィスで不埒な行為を働き、最後まで続ける為にここへ連れ込んだ―…。

「…………」

思い出しても最低だ。
当時の自分は何を考えていたんだ。
穴がありすぎだ。迂闊すぎる。意味不明だ。

それだけ、克哉は御堂にとり、イレギュラーな存在だということだ。
(ちなみに自分は彼に対して、自身が以前認めないと言っていたイリーガルを働いたわけだ。)

彼が目覚める前にこれらをクリーニングに出し、食事も頼もう。
否、彼のために何か簡単なものだったらつくれるだろう。例えば、オムレツとか。

御堂の心の中に甘いものが広がる。
彼もオムレツを、自分が想っているように、大切な食事として覚えてくれていたらいい。

そう言えば、昨日抱きはしたがまだ克哉への想いを自覚してはいなかったのだと、彼に絶対に言えはしないだろうな、と思う。
彼を傷つけるし、なにより彼には格好良いところだけを見せておきたいという、情けない意地があるのが一番だったりする。

今までを振り返って、彼に格好いいところを見せていた記憶が無いのだが。
(むしろ最低な姿ばかり見せてしまったと思う。)

これからは、少しでも。

そのとき、寝室の方から大きな物音が聞こえてきた。
昨晩の運動で足腰がまともに動かないことを失念して起きようとし、転倒したのだろう。
きっとよく似合う困り顔で私を呼んでいるはずだ。

緩む頬をどうすればいいのか、悩みながら御堂は寝室に足を向けた。





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