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18禁BLゲーム「鬼畜眼鏡」に溺れる管理人の萌えやSSで構成されたブログです。  ※18歳未満(高校生含む)はお引き取りください。  リンクフリーです。(詳しくは「はじめに」をご覧下さい。)

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みどかつSS「朝・After」

無印のみどかつ「無口な愛情」の翌日、を今更書いた「朝」の続きです。


ちなみに、朝起きた順は
克哉→御堂さん→克哉(二度寝)
だったことになってます。


では、続きからどうぞ。


うっすらと意識が戻ってくるのを感じる。

克哉は柔らかいベッドの中で、自分が目覚めたことを認識した。
同時に、自分が寝ていたことを理解する。

(ここはどこだろう…?)

こんなに心地良い感触のベッドを自分は知らない。
自宅のでも友人宅のでもない、このベッドはどこのだろうか。
少しずつ明瞭になっていく身体が、嗅ぎ慣れた香りを捉えた。

(この、香りは…)

克哉が慌てて寝返りを打った先には、同じベッドに寝ていた、御堂孝典が居た。

このベッドに彼の香りが馴染んでいることに気付いた瞬間、昨晩の記憶が甦る。

雨の中御堂を待っていたら、彼に部屋まで上げられ、シャワーで体を温められながら想いを告白し、そして――気持ちを通じ合わせ、体を重ね合わせたのだった。

振り返ると鳥肌が立ちそうな台詞を沢山口走った気がする。
克哉は赤面しながら、隣の御堂の端正な寝顔を見つめる。

昨晩激しく求め合ったせいではないであろう、疲労の色が色濃く滲んでいる。
が、それでも凛とした美しさは翳ることなく在り、行儀よく仰向けに寝ているさまは彼の性格を表していると思えた。
彼を見つめていると克哉の中に温かいものが満ちていくのがわかる。

ただ、会いたかった。

昨日はただ会いたいという、その気持ちだけで御堂のマンション下に居た。
けれど顔を見た瞬間、言うつもりのなかった心が溢れてしまい、愛を言葉にしてしまった。そして信じられないことに、御堂はそれを受け入れてくれたのだ。
直接的な言葉ではなかったが、狂おしいほどの快感で、彼の想いを返してくれた。

思い出すとにやけてしまう頬をそのままにして、克哉は暫く至福のときに身を置いた。



***



再び意識が戻る感覚で、またもや自分が寝てしまっていたことに気付いた。
昨日あんなに愛し合ったのだから、そう簡単に睡眠欲が満たされるはずが無いのだ。

今回はベッドの上には克哉一人だった。
御堂は寝室には居ないようだ。シャワールームだとかリビングだとかに居るのだろう。

挨拶をせねばと克哉は立ち上がろうとして、脚が床に着いた瞬間に顔までもが床にぶつかってしまった。
自分が転んだのだ、と気付くのに時間が掛かった。
まさか足腰がこんなに役に立たないほど疲労しているとは思わなかったのだ。疲労の理由を考え一人赤面していた克哉に、原因に関わる男が愉快そうに声を掛けた。

「おはよう」
「! …お、おはようございます……」

寝室に入ってきた御堂の顔が見られない。
昨日あんなことやそんなことを口走ってしまった挙句、あられもない姿で抱き合ったあとなのだ。恥ずかしい。

それに加え、克哉の思い違いでなければ互いの想いが通じ合った今、二人は所謂『恋人』になった。
呼び名が変わった関係を前に、どんな風に接すればいいのかわからなくなったのだ。

それらを理由に、克哉は俯き床を見ながら御堂に挨拶を返してしまった。
すると。

「私は床ではないぞ」

押し殺したような笑いを含んだ声で、御堂が嗜める。
その声に恐る恐るといった様子で克哉は顔を上げ、そのままの姿勢で―無意識とはいえ、上目遣いになっている―もう一度、照れつつも優しい笑顔で朝の挨拶をした。

「!」

極上の克哉の微笑みを見慣れていない御堂にとって、それは朝から強烈過ぎる閃光弾だった。
目が眩む。

そんな御堂には気付かず、代わりに自分が一糸纏わぬ姿であることに気付き、克哉は慌てて立ち上がろうとした。が、先程の二の舞だ。案の定よろめいてしまった。

「克哉っ!」

慌てて御堂が抱き支えるが、克哉は彼の腕の中で彼を見上げて呆然としてしまっていた。
御堂はどうしたのだ、と言うように克哉を見つめ返す。

昨夜は夢中で気付かなかったが、そういえばあのときから御堂は自分のことを「克哉」と、名前で呼んでくれていた。
自然、克哉は頬を染め花開くような笑顔になった。

「…名前、嬉しい……」
「っ! こほん、だから! そう無闇に煽るな」
「?」

可愛らしく小首を傾げる克哉をベッドに座らせ、自分も隣に座りながら、御堂は訊ねた。
短時間でこれだけ心臓が脈打っていたら身が持たない。いつか自分はこの笑顔に慣れることが出来るのだろうか。

「ところで、君は今日何か予定はあるのか?」
「え? いえ、特にありません」
「明日は」
「ありません」

よろしい、私もだ、と御堂はわざと真剣な顔を作って言った。
友人たちに今日明日の約束をキャンセルするメールを入れなければ、と思いつつ。

「腹は空いているか。何か飲むか」
「いえ、それより、オレも聴きたいことがあるんです。良いですか?」
「何だ」
「御堂さんは、元から…その、……ゲイなんですか?」
「……………………」

御堂は絶句する。
かなりの時間を掛け回答に悩む御堂に、質問者である克哉の方が慌てる。

「あ、あの、もしそうでないならオレ、女の人っぽくならなきゃいけないかな、とか思って…。あんまりべたべたしちゃいけないかも、と思って。
こういうの、最初に聞いといた方が良いですよね? その、これからずっと、付き合っていくんですから」

後半の呟きが可愛かったので一気に気分は高揚したが、前半がいけない。
御堂は何も克哉に女らしさなど求めないし、男らしい彼の肉体にきちんと欲情しているのだから、『べたべた』でも『いちゃいちゃ』でも『らぶらぶ』でも何でも、むしろして欲しいと思っているのだ。

「克哉、私は性別で人を好きになるわけではない。君自身を見ているんだ。君に男も女も求めたりしないつもりだ」

と言っておく。
よく聞けば「男も女もどちらもいける」と告白しているのだが、克哉は「君自身を見ている」の言葉にうっとりとしていて、気付いていない。

「ありがとうございます…」

本当に安心したように言う克哉に、再び御堂は問いかけた。
この際だから何でも聞いておこうと思った。

「では、私もまだ聞きたいことがある。君は今関係を持っている人は居ないのか?」
「! 居ません! 貴方意外に居るわけがないでしょうっ」

傷付いたように克哉が答える。
御堂のほうに体を傾けて、訴えた。

「貴方とあんなことをしていたのに、他の誰かと、なんてするわけないじゃないですか…!」
「私もだ。すまない、酷い聞き方をした。
…君はあまりにも、その…魅力的で、感じやすい体だから、さぞかしモテるのではないかと、心配だったんだ」
「御堂さん…」

嬉しいです、とはにかみながら、克哉は早速、先程許しを得た『べたべた』をしようと、御堂の肩に頭を乗せた。
甘えるようなその仕草に、途端に寝室に甘い空気が満ちる。

「克哉、とりあえず何か食べよう。ケータリングを頼むから。ついでにスーツなどもクリーニングに出して、シーツも替えて、それから…」

思う存分、君を貪りたい。

克哉の耳に直接流し込まれた言葉は、克哉の脳髄までも溶かしそうだった。
熱を持ち始めてしまった体を抑えながら、克哉は頷く。

「それまでにシャワーを浴びるといい。
…何か食べたいものはあるか?」
「はい。…オムレツが、食べたいです」

御堂の肩から真っ直ぐ御堂の眼を見て克哉が言い、御堂は彼の頬を撫でながら笑った。
温かく、優しい心が二人を結ぶ。

出会った頃は、そして『接待』をしているときは、こんな幸福を味わう日が来るとは知らなかった。
これから、何があろうと決して二人は離れず、愛し合っていくだろう。
二人の恋人としての初めての朝は、こうして希望に包まれていたのだった―。




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