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18禁BLゲーム「鬼畜眼鏡」に溺れる管理人の萌えやSSで構成されたブログです。  ※18歳未満(高校生含む)はお引き取りください。  リンクフリーです。(詳しくは「はじめに」をご覧下さい。)

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【みどかつ妄想】陰陽師と式神【パラレル】

少し時間が取れたので、最近読んだ現代版陰陽師風BL小説をもとにパラレル妄想してみました。

SSというよりあらすじって感じなので、妄想扱いです。
シチュエーション萌えしていただけたら幸いです。


では、続きからどうぞ。


佐伯克哉は現代に少数だけ残る、所謂陰陽師の一族に生まれた青年だった。

先祖に優秀な陰陽師を持つ克哉の一族は、今や一般人より僅かに霊感が高いだけで、式神を操ったり未来を占ったりという能力を失いかけていた。
ただ、自分達は他の人間たちよりも優れた一族なのだというプライドだけは高かった。

その中で、克哉は幼い頃から異質な存在だった。

一族の中で宗家からは遠い血筋で、ほぼ一般人と変わらない生活を送っていた彼だったが、その霊的能力は初代と並ぶほどだと言われていた。
幼児の頃、両親が喧嘩するとそれを止めるかのように泣き出すなど、周囲の人間の感情を理解する力が生まれつき高かった。それは成長するにつれ強くなり、他人の感情だけでなく胸中の言葉や、末来を読むことも出来るようになっていった。

克哉が式神を初めて創ったのは小学校低学年の頃だった。
それは蟻を基にしたもので、克哉の力が高まるにつれもっと大きく、高等な脳を持つ式神を創ることが可能になった。
一族の中で式神を創れるものは僅かしかいない。ましてや、人型の式神など平安の時代にさかのぼっても片手を超えるほどである。しかし克哉は、小学校六年生・十一の歳でひとより賢く霊力も高い、人型の式神を創った。

御堂孝典という名を持って生まれたその式神は、美しく気高かった。
人間で言うと三十代に及ぶか否かといった男性の容姿で、若々しい力に満ちていた。その鋭い眼光は見るものを萎縮させた。
紫の髪と眼を持ち、低い声は耳によかった。
まだ成長途中であどけない輪郭の克哉とは違い、完成された大人の男の外見だった。

栗色の髪に淡い蒼の瞳の克哉は、その頃ほっそりとした手足を活発に動かす明るい少年だった。
何をしても人より抜きん出ていたし、また一般人が持たない高い霊力を有していたため、多少人を見下したり自慢げだったりもしたが、いつでも注目の的だった。
綺麗な顔立ちと優秀な頭脳、天才的な霊的能力は克哉の魅力だったのだ。

しかし、言葉を介さずとも胸中の言葉を理解したり、末来を読んだりする克哉を、次第に友人たちは気味悪がるようになっていった。
一族の中でも、小学生で人型の式神を創りだした克哉を畏怖したり、妬んだりするものが居た。

「俺はお前を時々人の心を読めるみたいに感じるけど、本当の意味ではお前は誰の心も理解できないんだ」

中学に上がる頃、克哉はそれら周囲の目に気付き、怯えるようになっていた。
それ故、人の心や末来を読んだり、式神を創ることは止め人並みに、否、人より不出来な振りを装った。
御堂を創ったことで霊力を使い果たしたかのように、霊力は使えないのだと言い張った。わざと気の利かない振りもしたし、小さな失敗を織り交ぜてみせた。

いつしかそれらが無意識になり、もう克哉を妬むものは居なくなった。
人に褒められることもなくなったが、克哉は満足していた。
だが、御堂は不満だった。

自分の能力を認めることを、認めることでまた周囲に厭われることを、克哉が過剰に恐れるのは御堂にとって許せないことだったのだ。
周囲の人間が何と言おうと、持って生まれた能力が非常に高いことは自分が否定していいことではなく、その能力を隠すより高め利用する方向に努力していくべきだと思っていた。
式神の身でありながら再三克哉に進言したが、克哉は変わらなかった。



***



式神は霊力の低いものには見えない。

一般人はもとより、一族の中でも御堂を見たり彼に触れたり出来るものはそう多くなかった。
だから克哉は一人でいるように見えて、常に守護霊のように寄り添う御堂と共に居た。

克哉が彼を創ったのは、自分を絶対的に支配し導いてくれる存在を欲したからであった。

自分より聡明で、冷静で、間違えない式神。
そういうイメージで生み出した。
だから御堂は特別思い入れのある式神だし、実際聡明で冷静で大体において間違えない式神だった。
そんな、ある種理想といえる御堂と四六時中一緒に居て、秘密を共有していて、彼を好きにならないというのは難しいことであろう。

克哉は気付くと御堂のことを式神であるとか同性(式神に厳密な意味で性別は無いと思うが、少なくとも見た目は男性体なので)であるとか、そんなことは問題にならないほど、愛していた。

けれど、所詮式神は創造主の操り人形である。
克哉の思うとおりに考え、動く。

それは即ち自我があるといえるのか。
克哉は自信がなかった。

御堂が自由に振舞っているように見えるが、その実克哉の無意識の命令に従っているだけで、いわば克哉は自分の分身に恋しているだけなのではないか。

たとえそうでも、もう克哉は御堂無しでは生きられないと思いつめるほど御堂に依存していたので彼を諦めることなど出来なかったが、同時に愛を告げることも出来ないのだった。



***



御堂に意思はあった。

式神は確かに創造主に従うが、仕えるに相応しくないと思えば縁を切れる。克哉の心配は杞憂だった。

そして御堂はその自由な意思で、克哉を愛していた。
自らを生み出した偉大な力を持ちながら、人に嫌われたり傷つけたりすることを恐れる弱さや優しさ、時折見せる頑固さ、隠しても隠し切れない優秀さ。そのどれにも惹かれ、守り、慈しまずにいられなかった。
さらに、その力を伸ばし、ともに高い領域で切磋琢磨し合い、生きていきたかった。

だが主と僕として、人と人ならざるものとして、自らの劣情はとても克哉に明かせられないとも思っていたのだった。

克哉が己へ同じ想いを向けていることは知っていた。知っていて、知らない振りをしていた。
克哉も御堂がそれを知っていることには、気付いている。
それでも、想いは同じでも、歩む運命は違うのだと、御堂は溢れそうになる言葉を殺してただ克哉に寄り添っていた。



***



二人の平行線の恋は、ひとつの事件により急展開を迎えた。

とあるドリンクに呪が掛けられ、それを飲んだ者の霊力が解放されるという事件が相次いだのだ。
プロトファイバーというそのドリンク自体は何の変哲も無いのだが、Mr,Rと名乗る謎の陰陽師により今まで霊的能力が眠っていた一般人の力が強制的に目覚めるという呪が掛けられた。

霊力をコントロールするすべを持たない一般人たちは、勘が鋭くなり知力体力共に高まる代わりに、いたずらに霊力を消耗する。次第に衰弱して、最悪の場合は死に至るかもしれないのだ。

その恐ろしい呪はとても高等な呪であり、克哉の一族たちが必死に解こうとしても敵わなかった。
一族に乞われても、自分は霊力を失ったのだと嘘を吐き逃げていた克哉だったが、ある日彼の許にMr.Rが現れた。

「こんばんは」

帽子も手袋もコートも総て真っ黒で、髪だけはまばゆいほどの金色であるMr.Rは、眼鏡を掛けていた。彼自身も相当な術者だが、眼鏡も禍々しいオーラを放っていた。

Mr.Rは克哉の前に現れると、自分のそれと同じように妖しげな眼鏡を差し出した。これを克哉が掛ければ隠していた霊力は更に強くなり、プロトファイバーの呪を解けるだろうというのだった。

しかし克哉はその眼鏡を掛けなかった。
Mr.Rは何故か克哉が霊力や抑制された自分を解放することを望んでいるようだが、克哉は今まで隠して逃げていた自分の力を、眼鏡に頼らずして解き放つことにしたのだ。

そのことを誰より喜んだ御堂は、霊山に篭り霊力を上げる為の修行を行った。
いつも一緒に居た彼が傍にいないことは克哉に不安やプレッシャーを与えたが、克哉のために克哉から一時離れることを御堂が選択したのだから、と自分も古文書を読み呪を解く術を模索した。

そして、苦しい攻防ではあったが、克哉は見事に呪を解くことができた。
自分も、式神である御堂も満身創痍である。
それでも全力で立ち向かうことができた喜びや、人々を救えた安心から、克哉は御堂に正直な思いを告げた。

修行の為傍にいてくれなかったり、攻防の際御堂を庇おうとした克哉に逆らい危険な術を使ったりした御堂を見て、克哉は式神が創造主の分身ではないことを教えられたのだ。
何の迷いもなく、ただ純粋な愛を、克哉は御堂にぶつけた。

「好きです。抱いて欲しい…」

互いに互いの想いを気付かない振りしていたデッドロックのような状態が、それで崩れた。
これで御堂も知らない振りはできなくなったのだ。
そして、目の前で涙を湛えて愛を訴える克哉を見て、その体を抱きしめないで居ることなど御堂にはできなかった。

「…愛している」



こうして、現代に生きる一人の陰陽師と、彼の式神は、互いの立場や種を超えて、ひとつの愛で結ばれたのだった。




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