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18禁BLゲーム「鬼畜眼鏡」に溺れる管理人の萌えやSSで構成されたブログです。  ※18歳未満(高校生含む)はお引き取りください。  リンクフリーです。(詳しくは「はじめに」をご覧下さい。)

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年始のみどかつ小ねた三連発

年始のみどかつを御堂さん目線で。


Rベストエンド後な感じを呟き程度な小ねたです
いち は元旦、に は元日夕方、さん は二日の昼です。
続きからどうぞ


* * *

いち 「笑うのは」



ちっちっちっ……。

暗闇の中、ベッドサイドのデジタル時計が正確に時を刻む。
大切な恋人の特別な日が、ゆっくりと終わっていく。

ちっちっ――。
53、54、55。

「君が生まれてきてくれて本当に嬉しい」

…60。

――2010年1月1日0分0秒…。

「あけましておめでとう、克哉。今年もよろしく頼む」

去年一番最後に言った言葉は、君へ。
今年一番最初に言った言葉も、君へ。

私の総ては、君へ。

「――あ、今年も新年の挨拶、貴方に先に言われてしまいました」

はにかんでから、彼の綺麗な唇が私と同じ言葉をなぞった。

今度は私が彼の表情をまねる。

「では来年こそ、君から言えばいい」

彼の笑みが深まった。
それはそれは幸せそうで、温かく、美しい微笑だった。

『来年の話をすると鬼が笑う』というが。


笑うのは君じゃないか。



* * *



に 「MOTTAINAI」



「何をやっているんだ君は」

恋人のご所望の品である熱燗を片手にリビングに戻ると、ローテーブルの下の絨毯ではなく、フローリングに直接、彼が寝そべっていた。
長い脚は胡坐のままで、上半身だけ仰向けになり、万歳をするような体勢で倒れている。

「ん~~。だって……」

彼は気持ちよさそうに眼を瞑って伸びをした。
温かいのだろう。
なんせ床暖房だから。

「床暖房だから」

私の胸中の言葉と彼の口にした言葉が偶然にも重なった。
少し得意げな顔になりそうなのを抑えて、彼の傍に腰を下ろす。

「どういうことだ?」

私が隣に来ても、彼は起き上がらず、うつ伏せに寝返っただけだった。

「誰も触れていなくても、この床はあったかいんですよ。もったいないじゃないですか。ワンガリ・マータイさんも言っています」
「そうか?」
「そうです」

そうなのか。

しかしそれをいうなら私だって。


私の見ていない君がいるのをひどくもったいなく思っているのだ。



* * *


さん 「猫はこたつで」



「年明け早々押しかけてすみません」
「いやいや私が呼んだのだから気にするな」

1月2日、突然、上司である大隈専務から呼び出しを受け、私と克哉は大隈家の門をくぐった。
我が家では用意しないおせちやお雑煮などがところ狭しと並ぶコタツを前に、料理の作者である大隈夫人とその伴侶はにこにこと笑っていた。

「御堂くんは知っているだろう? 彼の隣が佐伯くん。どちらも優秀な社員でな、私のお気に入りなんだ」
「恐れ入ります」
「まあまあどちらも男前だこと!」
「にゃぁ~」
「とんでもないです」
「ささ、飲んで飲んで」
「にゃぁにゃぁ~~」
「ありがとうござい……ん?」

賑やかな会話の合間に、赤ん坊の泣き声に似た声が混じっていた。
声のする方を見ると、おせちを食べようと構える猫がコタツの上に乗っていた。

アメリカンショートヘアと見受けられるその猫は、なるほど飼い主に似て我が物顔でおせちに顔を寄せている。

「こらこらみーちゃん、コタツに乗るんじゃない」
「みーちゃんって言うんですか」

外資系の専務の口からは違和感があるが猫には相応しい名前のその猫は、大隈専務に追い払われて、私の恋人の横に降り立った。

「可愛いですね」

克哉はポケットから狐の尾に似たキーホルダーが付いた鍵を取り出し、猫の顔の前でチラつかせた。
食事からそちらへ興味を移した猫は、克哉の正座した膝に片手を置き、目の前で揺れるキーホルダーに猫パンチをお見舞いしている。

「にゃー」

克哉の腕は少しずつ自分の胸元に寄っていく。
猫は獲物を追いかけて徐々に克哉の膝に乗り上げていく。

しかし。

「んー。なかなか膝に乗ってくれませんねー」

克哉の思うように、猫はキーホルダーに釣られて膝に乗らない。
あまり人懐っこくないのだろうか。

「さあさあ、みーちゃんはいいから飲みましょう、食べましょう」
「あ、はい」
「いただきます」


「ただいま、です」
「お帰り克哉」
「お帰りなさい、孝典さん」
「ああ。ただいま」

いつもの挨拶を交わしながら家へ帰った私たちは、ポストから受け取った年賀状を手にリビングへ急いだ。
床暖房とエアコンは入れっぱなしだ。

「昨日大体来たと思いましたけど、まだ結構来ましたね。年賀状」
「ああ、本当だな。また返事を書かなければ」
「あ、あいつ結婚したんだー…」

私の住所の隣に克哉の名前が書いてある年賀状は、どうやら克哉の学友からだった。
裏面は、克哉と同じくらいの年齢の男女が紋付はかまと白無垢を着て並んでいる写真。
どちらも大きな口を開けて笑っていた。

「羨ましいのか?」
「いいえ。うちはうち、よそはよそですよ」
「…そうか。さて、ではそこに正座しろ」
「へ?」

猫なんぞに、彼の膝は渡せるものか。


猫はこたつで丸くなっていればいい。
私は彼の膝で丸くなるから。


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